課題作文「責任の取り方」

 「責任」と「信頼」は切っても切り離せない関係にある。普段からのその人への信頼度によって責任の取り方も変わってくる。例えば、同じ遅刻をするとしても、いつも遅刻している人だったら「またこいつは遅刻か」と思われるだろうし、普段きちんと来ている人だったら「今日はもしかして何か病気か事故で遅れるのかな」と思われるかもしれない。もちろん、遅刻をして周囲に迷惑をかけていることには変わりはないが、その信頼度によって周囲の受け止め方、不快感などが変わってくることは十分にありえることである。


 これは仕事上の失敗についても言えることである。業績が悪化した会社のトップが辞任するのは、社員・取引先・株主・世間からもうすでに信用されていないからである。たとえ業績が悪くなったとしても「責任」を持って会社の再建をするのが、トップに課せられた本当の「責任の取り方」であると思うが、周囲の「信頼感」がそうはさせてはくれない。もし、数々の功績を残し、社員からも世間からも好かれている経営者であるならば、同じ業績であったとしても経営再建を託されるかもしれない。


 「責任の取り方」。これは結局、どんなミスを犯したとしても周囲と自分の「信頼」によって変わってくるものである。だから最も有効な責任の取り方は、普段から周囲の人と信頼関係を築けるよう努力し、一生懸命仕事に取り組むことではないだろうか。