徹底『自己分析』

『自己分析』とはいったい何なのだろうか。


 その名のとおり、自分を分析すること。自分のこれまで経験や考え方などを基に、強みや弱みを分析することである。YAHOOで検索するとなんと354,000件も「自己分析」に関するページが出てくる。


 自己分析が活躍するのは主に就職活動のときである。とある就職活動について書いてあるホームページでは「自己分析とは、自分の性格や行動を知り、自分の強みを見つけ、これからやりたいこと、できることを考えることだ。つまり、社会に出るにあたって、自分がどのような方向に進むのかを、自分自身で確認することだ」と書いてある。ポイントは「これからやりたいこと、できることを考える」という点だと思う。


 就職活動をする者は(現在の私もそうであるが)、企業に自分を売り込むために自己分析をする。自分が今までどういう経験をしてきてその企業に入りたいと思ったのか、自分の強みはどういったものでそれをどう仕事に活かしたいのか。実際にエントリーシートで「あなた自身を自己分析してください」と書かせる企業もある。ここまでストレートでなくても「あなたが大学生活で打ち込んだものは何ですか」「自分をアピールしてください」なども間接的だが自己分析だと捉えてもよいだろう。つまり、自己分析のひとつの目的は「企業に入るため(良い言い方をするなら、自分がこれから一緒に働くかもしれない人たちに自分を認めてもらうため)に自分の良いところを知ってもらう」ということだろう。この自己分析においては自分をいかに良く見せるかということが重要である。もちろん事実以上に飾る必要もないし、自分の弱みをひた隠す必要もないのだが、企業にアピールするために自分の悪い面ばかりを言う人はほとんどいないだろう。「自分は映画やドラマを見たり、小説を読んだりして今まで一度も泣いたことのない無感動な人間です」(事実です)と自分を分析してみても意味がないのである。


 自己分析のもうひとつの目的として「自分で自分のことを知る」というものがある。R-CAPなどの自己分析ツールを使って自分の適した職業を探す人もいるし、そういったものを使わなくても自分で自分の理想の生活を考えて仕事を決める人もいる。また、就職に当たってだけではなく、例えば「これからどういった大学生活を過ごすか」とか「自分はこのサークルでどんな役割をすればいいのだろうか」と考えるときにも、自分のこれまでを振り返り自己を分析することは必要である。


 長くなったが、結局言いたいのは「自己分析とはこれからの自分のため(企業に入るため、より良い生活を送るため)に行うものだ」ということなのである。目的なしでは自己分析は成し得ない。そうでなく、人に自分を知ってもらうためだけに自己分析をするのなら、それはただの「自己紹介」になってしまうだろう。




……自己分析結果。僕はとてもひねくれた性格をしています。